ガジェット好きの建築設計事務所所員のつぶやき

ここでは日々の思ったことを深堀りします。

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最近の設計ツールに対して思うこと

いろいろデジタルツールが発達して、建築の設計もここ数年でガラッと変わりました。

結論とかないですが、最近考えていることをまとめておこうと思います。

 

建築設計では出来上がり完成をイメージしてもらいやすくするために外観や内観のCG(コンピューターグラフィックスの略)画像を作成することがあります。

これは積み上げた打ち合わせ内容により

 


設計図を作成して、それに基づいて作ることが多いです。

設計競技などではイメージ先行することも多いですが、それでも大まかな設計図を作り、スケールを合わせる作業が必要です。

 

一方、最近は画像生成AIが力を伸ばしています。膨大な数のモデルとなる画像からキーワードに沿った合成画像をAIが自動で作成するというものです。

 

前者には設計者の作為がありますが、後者には作為はなく元画像のテイストが反映されます。

プロセスの違いは真逆ですが、この両者が大体同じような感じとなってしまうのが不思議でたまりません。

 

最近の設計業務ではCG画像が設計成果物の一部として扱われているため、作成が必須となっています。設計をまとめて必死にCGを作るのですが、図面よりもCG画像は一般の方に対してとてもわかりやすい資料なので、今度はCG画像を重視して評価されるという現象が起こっているような気がします。

 

家づくりで言えば、SNSの進歩でInstagramなどが注文住宅のカタログみたいに利用されています。この場合の設計作業は要素の編集作業なので、ある程度図面を書く技術があれば設計図が完成してしまいます。

 

建築業界でいま火がついているのはBIM(Building Information Modeling)です。今までは平面図、立面図、断面図などの図面を別々に線で描いていましたが、BIMでは建物の要素ごとの情報(柱、梁、壁)を入力することで総合モデルを作成し、それから平面図、立面図、断面図などを書き出すことができるようなソフトウェアが出てきています。

 

いろいろ設計手法は変化していますが、建築は実際に使う人がいて成り立ちます。使う人が少しでも不具合を感じると設計が良くないとなるのです。

 

どれが良くてどれが悪いという話じゃないような気はしていますが、なぜかもやもやしています。そのもやもやがわかれば、またまとめようと思います。

 

設計する側の多様性と、施主側の求めることの乖離があるような、無いような。

 

自分なりの答えが死ぬまでには出るといいかなと思っています。