ガジェット好きの建築設計事務所所員のつぶやき

ここでは日々の思ったことを深堀りします。

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子供向け講座:自分の仕事を子供に説明できるか?

最近、子供に足し算とか引き算とかをちょっとずつ教えています。まだ5歳なんですけどね。

まぁ、勉強は学校でプロに教えてもらってやればよいという考えはあるんですが、勉強の楽しさを教えるのは親の仕事かなっていうのは思っていまして、今のうちにちょっとずついろいろ吹き込んでいる日々です。

今回の内容は、例えば自分の仕事を子供たちに説明する機会があるとすれば、どんなテーマでどんなことを話すかなぁと考えてみました。今日はそんな話です。

 

 

設計事務所の仕事って結構広いんですよ。

企画もするし、設計して形を出して提案もします。プランニングをするにしても、施主の性格なども想像しますし、敷地の内側だけでなく外側についても考えます。また、建築基準法を遵守する必要もあるため、細かい規則を守りながら設計をする必要もあります。

現場では建物の品質の守るための監理業務も仕事の一つですし、大きい現場であれば変更対応、工事中の増減を調整するために施主と施工会社に挟まれるのも役割の一つです。

施工業者に属する設計部であればやる事はある程度決まってくるんでしょうけど、うちみたいな弱小設計事務所は進んで雑用業務を担当する場合も多いです。

一言でいえば、賢い何でも屋さんという感じですね。そうじゃない会社もあるでしょうが、弊社はまさにそんな感じです。

 

ここからが本題で、子供たちに授業をするという場合、もちろん、いつも雑用やってますなんて言えません。

職業の話をする場合は、やっぱり職能みたいなとこに触れたいですよね。

医師とか弁護士とか教師とかと同列なんですよ、建築技術師。先生なんです。

 

ここで重要なのは、日本では建築士というのは免許であって、キーワードが独り歩きしてしまいがちなので、この言葉を使わずに説明することが重要です。

職能という話をするのであれば、建築士ではなく、建築家の方が言葉としてはあっていると思っています。

詳しい話は別の機会にまとめるとして、ここで言う建築家とは、計画を通してより良いビジョンを示すことが出来る人、と捉えてもらえると良いかと思います。

 

話を戻して、実際にどのような授業内容であれば1時間程度話すことが出来るかですが、大きく分けると3つのテーマくらいでしょうか。

 

まず1つ目に思いつくのは、単純に仕事内容の列挙です。

多分つまらないと思います。

初めに書いたこういう仕事もある。こういう仕事もある。こういう仕事もできるというような職業の話をしようとするとそんな感じですよね。雑用がばれてしまいます。

 

次に2つ目に思いつくのは、建物のカタチの話でしょうか。おそらく行き着く先は建物の歴史の授業です。

僕たちが勉強した歴史の授業というのは、西洋の古代ギリシャパルテノン神殿がどうたらこうたらという話ですが、子供たちに説明するということなので、自分に近いところから辿っていき、パルテノン神殿に持って行ければ、少しでもパルテノン神殿すげぇと思ってもらえるかもしれません。

これはちょっと面白いですね。改めて僕が勉強したいくらいです。

まず自分の家。これがおそらく現代住宅です。昭和の家かもしれませんがまあ戸建てであれば現代住宅。マンションであればその大元は戦後の公団住宅ですね。まだ残ってます。日本でいえば、住宅と社寺建築の分岐みたいなところがあり、竪穴住居まで。

外国でいえば、コンクリートや鉄みたいな新素材が出てきて、なんちゃらかんちゃらですね。

こういう風に子供たちがわかる範囲でやっていくってなると近い部分から遠い部分へ遡っていくのが有効かなぁって思います。いきなり竪穴式住居とか言っても子供わかんないですもんね。

僕もこういう授業を受けたかったです。今からでもいいのでだれかやってもらえませんかね。

 

最後、もう一つあるかと思ってるのが建物の性能の話です。特に省エネや断熱の話。

今でこそ、省エネ法が整備され設計義務になっていますが、法整備が無くとも、本来設計責任として設計者はこの部分を抑えるべきだと個人的に思っています。特に省エネ計算を外注するのは邪道です。

子供たちには理科の実験みたいな感じで、断熱剤の効果を実際に感じてもらうような授業のイメージです。モックアップを作るのか、教室に内側から断熱材を貼ってもいいですね(お金かかりますが。。)。スタイロ50㎜とかではなくて、200㎜くらい極端にやると、この体験は、絶対将来役にたちます。絶対、断熱材すげぇってなります。大人でもなります。

 

これら3つの内容であれば1時間くらい間が持ちそうだと思われます。

本当は都市計画とか、駅前の再開発とか、スケールの大きな話で将来性のある仕事の話ができれば、建築設計の仕事の職能が伝わりやすいかなと思いますが、現実問題そういった仕事に関わることができるのは一握りなのでしょう。

 

ふわっとした話でしたが、今日はここまで。